東日本大震災の被害を学ぶなら陸前高田がお勧め
東日本大震災の被害を学ぶための被災地として岩手県陸前高田市をお勧めします。
大津波が甚大な被害をもたらした大震災から9年になりました。
津波により約2千人が犠牲になった陸前高田市。
復興は進んでいるのでしょうか? 街は震災前とどう変わってのでしょうか?
百聞は一見にしかずです。
アクセスはよくありませんが、陸前高田を旅すれば、被災地の今が分かり有意義です。
まずは「東日本大震災津波伝承館」へ
陸前高田市には一見の価値がある施設があります。
「東日本大震災津波伝承館」(入館料無料)。
国や市と造る復興祈念公園の主要施設として岩手県が整備を進め、昨秋オープンしました。
常設展示は「命を守り、海と大地と共に生きる」がテーマ。
目玉はシアター。
津波襲来や避難時の様子を記録した実際の映像が流れます。
その映像の迫力に被災者らには「あの日を思い出す」と不評です。
不謹慎でしょうが、それだけ津波の恐怖をリアルに伝えているということ。
伝承館建設に、被災者らは賛否両論だったことは分かります。
伝承館近くには復元された「奇跡の一本松」も
伝承館がある一帯は、震災前は松7万本が植えられた景勝地「高田松原」でした。
震災の津波被害を受け、唯一生き残ったのがご存じ「奇跡の一本松」です。
ただ、一本松は塩の影響で震災の翌年2012年5月に枯れてしまいました。
その後、復興のシンボルだった一本松を後世に伝えようと保存プロジェクトが進行。
枯れた幹を防腐処理し、枝葉をレプリカで再現し、1年ほどかけて復元しました。
費用の約1億5千万円のおおむねは寄付で賄いました。
復元工事は、市民らから枝の形が枯れる前と違うと指摘され、一度やり直しをしました。
このとき、「そこまで費用をかける必要があるのか」とネット上で話題に。
実はやり直し作業に伴う業者との契約額に変更はなかったので問題なかったようですが…
かさ上げ工事後に広がる空き地
伝承館がある旧市街地を見渡せば、高台になった広大な空き地が目に飛び込んできます。
震災後、山を切り崩して行ったかさ上げ工事後の現場です。
広さは186ヘクタールで東京ドーム約50個分です。
大震災の津波で被災した市街地を再生する土地区画整理事業です。
最大高さ12メートルという盛り土により宅地を造りました。
同様のかさ上げ宅地工事が全国各地で行われ、ほぼ完成しつつあります。
国の調査で全国のかさ上げ宅地のうち35%が未利用になっていることが分かりました。
その中でも陸前高田は55%と最多です。
完成まで時間がかかり、避難先などでの再建を選んだ人が相次いだためです。
盛り土をされた広大な空き地をみると、虚しくなってきます。(トホホ)
トホホのまとめ
東日本大震災の被害を知るには陸前高田市がお勧めだ |
津波伝承館の映像は迫力があり、津波の恐怖を体感できる |
復元された「奇跡の一本松」も見どころだ |
巨大なかさ上げ宅地に空き地が広がる光景も必見だ |