低視聴率が示す「明石家サンタ」のつまらなさ
毎年、クリスマスに合わせ放送されるバラエティー番組「明石家サンタ」
今年の視聴率は3.3%と低迷しました。
私はいつも楽しみに見ていますが、今年は例年になくつまらなかったです。
明石家さんまさんと例年司会を務めてきた八木亜希子アナが病欠したのも影響したかも。
約 30年続く人気番組、最近は今一つつまらなくなってきたと思うのは私だけでしょうか?
つまらな過ぎるトークばかり
番組の正式名称は「明石家サンタ 史上最大のクリスマスプレゼントショー」。
フジテレビ系で毎年クリスマスの12月25日未明などに放送されています。
始まったのは1990年ですから来年で何と30周年を迎える〝長寿番組〟です。
番組は、電話で視聴者が「今年一番の不幸な話」をサンタに扮したさんまさんに告白。
面白いと判定されると鐘が打ち鳴らされ、抽選で豪華プレゼントが当たるルールです。
今年は八木アナの代役として後輩の中野美奈子アナが出演。
中野アナもトークを盛り上げようと頑張っていましたが…
生放送でいつも隣にいる八木アナがいないさんまさん。ノリも今一つの感じでした。
それとは別に、今年は電話に出た視聴者のトークの内容がつまらなさ過ぎ。
スタッフがあらかじめ選んでいるので質は保てているはずですが…
選びようがなかったのでしょうか?
逮捕された芸能人と誕生日が同じだけで
特に合格の鐘を疑問視されたのが、都内在住30代主婦を名乗る女性の話です。
「私、4月8日が誕生日でピエール瀧さんと沢尻エリカさんと同じなんです」
そんな風に明かしました。
ご存じのようにピエールさんと沢尻さんは今年、薬物事件で逮捕されました。
さんまさんは「嘘やん!」「沢尻さんとピエールさん(誕生日)一緒なの⁉」
そのまま勢いで合格の鐘を鳴らしていました。
中野アナも「凄い! 合格です!」と合いの手を入れていました。
皆さん、冷静に考えてください。
薬物で世間を騒がせた2人の著名人と誕生日が同じなことが、なぜ不幸なんでしょうか?
SNSでも話題になったようですが、当たり前です。
他の合格した視聴者も努力賞みたいな内容が目立ちました。
年々、つまらなくなっているような…
でも、今一つ盛り上がらないのは今年に限っていない気がします。
今年はひど過ぎただけで、年々つまらなくなっているような…
深夜の時間にしては驚異の8.4%の視聴率をたたき出した2001年当時が懐かしい。
もともと、番組はこんな感じでした。
主に電話に出るのはクリスマスの夜に1人過ごしている彼氏・彼女がいない視聴者。
彼らと今年の不幸について面白トークをして盛り上げていました。
さんまさんの絶妙な突っ込みと八木アナの独特のノリもよかった。
でも、それ以上に視聴者の〝自虐ネタ〟などのトークが視聴者を楽しませたのです。
合格して、抽選で豪華賞品が当たると「良かったね」と拍手を送りたくなりました。
「落ち」を楽しめないトーク
そんな盛り上がりが最近なりを潜めました。
一因としては、先ほど申したように一人暮らしの寂しがり屋の出演が減ったためでしょう。
今年、はっきりそう分かる人はいなかった気がします。
ほとんど人は家族と同居していたような…
それ以上に深刻なのは、「落ち」を楽しめないトークが多いことです。
今年は特にその傾向がありました。
最初の3分ほど聞けば、何が不幸なのか大よそ分かってしまいます。
同じ内容でも最後に想像できない「落ち」があればこそ盛り上がるのです。
そこに一人暮らしのわびしさが漂っていたら最高でした。
そんなトークが減り、テレビ離れが進んだことも加わり視聴率3.3%だったのでしょう。
このトークの盛り下がりに最近のSNSの浸透も関わっている気がします。
新聞記事のように結論を先に書くことが求められる中、話し方にも反映しているのかも…
聞く側もじっくり構える余裕がないので、トークが盛り上がらないのでしょう。
多くの人が落語のように「落ち」のある話し方が苦手なのです。
何だかつまらない世の中になっている気がするのは私の思い過ごしでしょうか?(トホホ)
トホホの教訓
最近の「明石家サンタ」はつまらない。今年は特にひどかった |
原因の一つは「落ち」が楽しめない視聴者のトーク内容にありそうだ |
昔はクリスマスを一人で過ごす人が主な視聴者の対象だったが、今は家族持ちも目立つ |
結論を先に書くSNSの基本的な書き方がトーク術にも反映しているのかも |